1月 22

今回は税務監査、会計監査の関連知識として公認会計士と税理士の違いと共通点に絞ってご紹介していきましょう。

[公認会計士と税理士の違いとは?]
公認会計士は登録手続きをすれば税理士としての資格を得られますが、税理士は公認会計士試験に合格しないと資格が得られません。このことから、公認会計士のほうが偉いとか公認会計士に税務のことはわからないと誤解されるかもしれません。しかし、両者の業務は大きくちがっているので以下にまとめておきましょう。

◆公認会計士
会計監査などに関する国家試験に合格し、公認会計士協会に登録された有資格者のことで主として企業の監査業務を行います。

監査業務……一般投資家や債権者に代わり企業の会計監査業務(公認会計士の独占業務)
会計業務……会計監査業務を行う前提として決算書の作成や会計・財務の調査、立案、指導
税務業務……税理士の独占業務であるが、税理士登録することにより業務を行うことができる
マネージメント・コンサルティング・サービス……経営戦略などの相談業務、組織再編の指導・助言、知的財産の評価など
情報システム業務……情報システムの開発・保守および導入の支援、システム監査

◆税理士
簿記会計および税務などに関する国家試験に合格し、税理士会に登録された有資格者のことで主として、税務申告の代理業務を行います。

税務代理業務……確定申告・青色申告の承認申請、税務調査の立会い、不服申立などを代行
税務書類の作成代行……確定申告書や相続税申告書など、税務署へ提出する書類の作成代行
税務相談……税金や税務全般に関する相談
会計業務……財務書類の作成、会計帳簿の記帳代行など、税務に関する事務
補佐人制度……税務訴訟において、納税者の権利を救済するために補佐人として出廷する
地方公共団体の外部監査……都道府県や市町村における税金の使途をチェックする外部監査

12月 21

会社の偉いさんといえば、社長、常務、専務、取締役、代表取締役、顧問、監査役……など、たくさんいます。その中で会社の業務とは少しはずれた役割を持つのが「監査役」です。取締役の仕事内容を監査する監査役についてみていきましょう。

経営に直接的に関われない株主のために、取締役の業務内容について監査する役員が監査役です。取締役と同じように、監査役も株主総会で選任されます。取締役が行う経営をチェックすることが監査役の重要な仕事です。

監査には、会計監査と業務監査があります。

「会計監査」は、決算書で会社の業績や財産の状況を正しく表記しているかどうかをチェックする監査です。もうひとつの「業務監査」は、取締役が行う経営活動について、法令違反をがないかどうかをチェックする監査です。多くの上場企業の場合、会計監査人という会計のプロが会計監査を行います。従って、監査役の主な仕事は、会計監査よりも業務監査のほうに比重が置かれます。

監査役は、取締役が違法行為を行った場合は監査報告書にそのことを明記し、株主に報告する義務があります。しかし、監査役は株主総会で選任されますが、取締役会の指名に基づいて選ばれるのが通例ですので、取締役会に対してネガティブな意見や姿勢を持つ人間が監査役に抜擢されることは、まず考えられないでしょう。通例は、退任した取締役が選任されるケースが多く、有名無実化しているのが現状です。

しかし、実際に業務に携わっていない者の監査や、業務内容を把握しない外部による監査には、限界があるとも言われており、監査の有効な実施方法が模索されています。

11月 24

会計監査について簡単にまとめてみましょう。大雑把にまとめると、会計監査とは企業の財務諸表に第三者がお墨付きを与えること。財務諸表は投資家、株主、銀行などの利害関係者にとっては必要不可欠な情報源ですから、嘘があってはいけません。企業外部の第三者が財務諸表をチェックして嘘や誤りがないかを評価・確認する作業を会計監査といいます。

広義での「監査」と言うと、内部監査、業務監査など、会計以外全般にも関係してきますが、今回は公認会計士が行う法定監査を前提としてお話していきましょう。少々大雑把に申し上げますと、1.上場企業か、2.資本金が5億以上または負債が200億以上の企業、このいずれかの条件を満たすと会計監査が必要となります。(※ 上場企業が受けるのは「証取法監査」で、資本金や負債の条件を満たす企業が受けるのは「商法監査」と言います。)

具体的な「監査」の中身ですが・・・「粉飾決算」「連結外し」「有価証券報告書偽造」などといった言葉を聞いたことはありませんか。

【一般投資家】
株式投資をしたいんだけど、業績を判断するための財務諸表は信用できるんだろうか。
【債権者】
融資をしたいけれども、返済能力のある企業なのかどうか。
【株主】
株式配当が少ないけど、本当にこれしか儲かってなかったのかな。

こうした疑問は、会社の作成した「財務諸表」が100%信用出来ないということが原因です。こうした不安を解消するために、会計に詳しい第三者が税務処理など会計をチェックをすれば安心だ、という事で生まれたのが「監査」です。会計、税務処理を外部の専門化が監査することによってお墨付きを与えるという行為が「監査」と呼ばれる行為です。

10月 22

税務監査は企業の税務処理が、きちんと行われているかどうか、不正が無いかどうかを第三者(顧問税理士や公認会計士)に監査してもらうことです。税務調査とは違って、税務上の不備や不正があった場合には自主的に改善を行っていくための自浄行為です。

不適切な税務処理が見つかった場合には、速やかに改善するという姿勢が求められます。このように税務監査は企業が自発的に行うことによって、社会的責任を果たしていくための条件といってもいいでしょう。もちろん費用対効果という観点から考えれば、税務監査そのものは利益を上げる行為ではなく、費用がかかるだけの無駄な行為と感じられるかもしれません。しかし、こうした自発的な監査は、必要経費だと考えて定期的に実施することを経営者自身が率先して示すことで、企業内の従業員全員に法令順守の思想を広める効果も期待できます。

どのようにオープンな企業であっても、組織運営上、程度の差こそあれ企業内だけに通じるローカルルールが必要となってきます。スムーズな組織運営という観点から、自然発生的に生じるのがローカルルールなのかもしれません。しかし、税務処理や会計処理については同様なローカルルールを適用して、社会的通念と乖離したままでいるのはリスクの観点からもおすすめできません。自発的な税務監査、会計監査を実施することで、適正な税務処理と会計処理を担保することが、結果的にはスムーズな組織運営、引いては事業展開をバックアップするものだという考え方を経営者が示す必要があるのではないでしょうか。

9月 25

監査という行為は以下のように定義されています。
「監査とは、経済的行為及び事象に関する主張と設定された基準との間の一致の程度を確かめるため、それらの主張についての証拠を客観的に入手し、評定し、かつ利害関係者にその結果を伝達する組織的な過程である。」

とっても固い文章ですが、キーワードは「証拠」、「客観的」、「利害関係者」、「結果を伝達」となります。つまり、監査とは、客観的な証拠を基に評価し、その結果を報告するまでのプロセスのことをいうわけです。

「会計監査」は、その対象を「会計記録」や「会計行為」について、独立性のある監査人が分析的に検討、その適否についての意見を表明する行為です。その会計監査は、探偵式監査ともいわれる「精密監査」(会計の記録や処理を対象とした監査)、信用監査ともいわれる「貸借対照表監査」(企業の返済能力に関する資料を提供するための貸借対照表を対象とした監査)、財務監査ともいわれる「財務諸表監査」(財務諸表が企業会計の諸基準に準拠した適正なものかを判断する監査)に分類されます。

「法定監査」は、商法や証券取引法等の法律によって、企業に義務づけられている監査を指します。株式会社は、商法上「監査役監査」が義務づけられており、資本金1億円以下の株式会社では、監査役は会計監査のみを行いますが、資本金1億円を超える株式会社では、監査役は会計監査と業務監査を行います。資本金5億円以上か負債総額200億円以上の株式会社では、公認会計士等による財務諸表監査が義務づけられています。

「任意監査」は、企業自身がその内部監査を行って、会計及び会計以外の業務の健全性を維持するために、監査役や監査課を設置して行う監査をいいます。

8月 25

今回は「監査法人」について。
監査法人とは、公認会計士が共同して設立した法人のことで、他人の求めに応じて報酬の対価として、財務書類の監査、または証明を行うことを目的とした組織です。

監査法人の設立要件は、5名以上の「社員」(公認会計士であること)が必要だと公認会計士法に定められており、4名以下になった場合には解散しなければならないとなっています。

監査法人には、法人に出資して社員として監査法人の重要事項の決定に参加する資格を持つ公認会計士の他に、従業員として法人と雇用契約を結ぶ公認会計士、公認会計士でない社員及び従業員が在籍しますが、公認会計士でない社員の割合は1/4未満でなければならないと定められています。

監査法人の主な業務は、①監査又は証明業務、②コンサルティング業務、③公認会計士試験に合格した者に対する実務補習の三つです。

社会的な流れの中で監査の厳格化が求められるようになってきており、監査法人の役割が注目されてきています。というのは、粉飾決算の疑惑がある企業や、企業舎弟の標的にされている疑惑のある企業の法定監査を受託し、監査意見を表明することが比較的多くなってきているからです。

昨今でも、企業の粉飾決算から一般の株主が不利益を被るという事件が後を絶ちません。特に上場企業の財務状況についてはクリアにされていなければならないのは国際的な流れです。株式市場の魅力を高めるためにも、正しい情報が発信されることが前提条件です。そのためにも監査法人の役割が注目されているのが現状です。

7月 23

税務監査と会計監査についてご紹介してきていますが、今回は税務監査と会計監査のおさらいとして税務監査と会計監査の違いをクローズアップしてみましょう。

まず、税務監査は、税務署が行う「税務調査」とは違って、法人や企業などが自発的に公認会計士や税理士に依頼して、税務調査さながらのチェック(監査)をしてもらうことによって、自社の税務処理が正しく行われているかどうかを調べてもらうことです。

一方、会計監査は、会社の財務状態が計算書類の記載内容に適正に表示されているかどうかを確かめる監査のことで、公認会計士か監査法人によって行われる監査と、社内の監査役によって会社内部で行われる監査とがあります。

会社内部で行われる会計監査は、社内の各部署において会計処理の不正が行われずに正しく処理されているかを調べるものなのに対して、公認会計士や監査法人などが行う会計監査は、株主となる第三者が、その会社の株や社債を購入する際に参考にする資料に客観的信用度を増すために「この会社の会計はこのようなものですよ」と外部の人間による参考資料となるものです。

基本的には会社内部の監査と、監査法人による外部の監査は似たような調査を行います。
しかし、会社内部の監査は、不正な会計処理を内部の人間がやっていないかどうかの調査に重きを置くのに対して、外部の会計監査は、社外のステークホルダー(利害関係者)に対して、法人の財務状況を正確に伝えることに重きが置かれます。

6月 23

「監査役」とは、会社の取締役及び会計参与の業務を監査する機関のことです。
ここで「機関」と表現されるのは、機能を果たす人間やグループということです。

つまり、会社の事業や税務、経理などを第三者的立場から監査し、違法な行為や著しく不当な職務執行行為があれば、それを阻止・是正するのが役割です。

それと同じような役割を果たすものに「社外取締役」という制度があります。
社外取締役とは、『現在も過去においても、その会社または子会社の経営者や管理職、あるいは従業員ではない人(その会社の業務を執行しない人)、つまり、当該会社の利害に関与しない中立の立場にある取締役のこと』をいいます。

業務を執行しない独立性の高い「社外取締役」は中立的かつ独立的な監視機能を持ち、執行と監督を明確に分離させるのを目的として設置されます。

つまり、監査役と社外取締役は同じ性格を持つ機関なのですが、監査役が法令順守という部分にかんする監査を主たる機能とするのに対して、社外取締役は会社の事業に対する監督業務を主たる機能とする点で異なると考えられます。

しかし、社外取締役制度は元々あった「監査役制度」の機能不全を端に発して出来上がった制度ともいわれています。

税務や会計などの事業の裏方的業務の監督・監査については社外取締役の管轄外ともいえ、税務監査・会計監査の実効性を高めるためにも監査役制度の再興が必要なのかもしれません。

現代の会社組織、企業には高いコンプライアンス(法令順守)が求められており、経営者や業務執行役員とは独立した監査機関を充実させること必要なのではないでしょうか。

5月 25

個人事業者や中小企業の経営者の皆さんなら、なるべく税金を払いたくないというのは共通の認識でしょう。
これは何も不思議なことではありません。事業をやって儲け(利益)が出る、その利益を次の事業資金に回したい、従業員に分配したいという思いは誰でも一緒だと思います。もっと個人的な思いとして、「いい生活をしたい」「贅沢したい」というのもあるでしょう。

節税対策とは、会社の税務処理を法律に触れない範囲で「適正」に行って、支払う税金額をなるべく少なくすることだと思います。
もちろん、法律に触れてはいけません。また法律に触れない範囲での税務処理とはいえ、法の目をくぐるような税務処理を行って節税対策をした場合、税務調査によって脱税行為と認定されてしまっては元も子もありません。

こうした税務調査対策として税務監査があります。
適正な税務処理が行われているか、税務調査に対してきちんとした対抗策がうてるかどうか、といった税務上の監査を行うことが税務監査と呼ばれるものになります。

法律に明らかに触れる場合はもってのほかですが、脱法行為と呼ばれる法律の網の目をくぐるような行為も税務調査では問題になります。
こうした節税対策として行った行為が、税務調査によって脱法行為と認定されてしまうと本来払う税金以上に加算税を払わなければならないケースも出てきてしまいます。

こうした事態にならないように税務監査によって、税務調査を想定した適正な税務処理を行っておく必要があるのです。

4月 22

前回、税務と会計の違いとして、税務における「儲け(利益)」と会計における「儲け(利益)」には違いがあるということをご紹介しました。

このことを具体的な例でご紹介すると、交際費や従業員の福利厚生にお金を費やすことにより儲けを少なくし、税金を低くしようと考えると、会計上は費やしたお金は全て「費用」として認識されますが、税務上は課税の公平の観点等から「損金」とは認められない場合があります。
この取扱いの違いが税務と会計の差のひとつです。

税務上の「損金」として取り扱えるかどうか(経費で落ちるか否か)によって税金額が変わるので、税務上の取扱いを知ることは重要になります。

課税標準である所得金額は、会計で計算された利益をベースに税務特有の調整(会計と税務の差)を加えて計算する仕組みになります。この税務の調整は4種類あります。

(1.)益金算入項目
会計上は収益には該当しないが、税務上は益金とされ、課税対象とされる項目
(ex.圧縮積立金取崩額)

(2.)益金不算入項目
会計上は収益に該当するが、税務上は益金としない項目
(ex.還付法人税、受取配当金の一部など)

(3.)損金算入項目
会計上は費用に該当しないが、税務上は損金とされる項目
(ex.圧縮積立金積立額)

(4.)損金不算入項目
会計上は費用に該当するが、税務上は損金とされない項目
(ex.交際費、寄付金の限度超過額、法人税等、資産の評価損)

領収書が全て「損金」となるわけではありません。儲けや経費といったものを会計の観点と税務の観点をもって会社経営を行っていくことが重要となります。

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