8月 25

今回は『監査』という言葉の意味について見ていくことにしましょう。
まずは監査の定義について。「監査とは、経済的行為及び事象に関する主張と設定された基準との間の一致の程度を確かめるため、それらの主張についての証拠を客観的に入手し、評定し、かつ利害関係者にその結果を伝達する組織的な過程である」とあります。

少々とっつきにくい文章ですが、キーワードは「証拠」、「客観的」、「利害関係者」、「結果を伝達」となり、監査とは、客観的な証拠を基に評価し、その結果を報告するまでのプロセスというわけです。

[会計監査]
会計監査は、企業の会計記録や会計行為について、独立性のある監査人が分析的に検討、その適否についての意見を表明する行為です。会計監査は、探偵式監査ともいわれる「精密監査」(会計の記録や処理を対象とした監査)、信用監査ともいわれる「貸借対照表監査」(企業の返済能力に関する資料を提供するための貸借対照表を対象とした監査)、財務監査ともいわれる「財務諸表監査」(財務諸表が企業会計の諸基準に準拠した適正なものかを判断する監査)に分類されます。

[法定監査]
法定監査は、商法や証券取引法等の法律によって、企業に義務づけられている監査のことです。株式会社は、商法上「監査役監査」が義務づけられています。資本金1億円以下の株式会社では、監査役は会計監査のみを行いますが、資本金1億円を超える株式会社では、監査役は会計監査と業務監査を行います。また、資本金5億円以上か負債総額200億円以上の株式会社では、公認会計士等による財務諸表監査が義務づけられます。

7月 12

今回はちょっと小難しい用語が出てきますが、なんとなくでいいので一緒に勉強していきましょう。
最近何かとキーワードとして様々なメディアに登場するのが、”IFRS(国際財務報告基準)”という言葉です。なんだか難しそうな言葉ですが、税務や会計について勉強するなら避けては通れないものです。

[IFRSとは?]
”International Financial Reporting Standards”の省略語で、日本語に直すと『国際財務報告基準』となります。
『国際会計基準審議会(IASB;International Accounting Standards Board)』が設定する会計基準の総称で、世界的に共通な会計基準として設定・公表されているものです。欧州連合(EU)では全ての上場会社に適用され、世界的にも会計基準の世界標準になりつつあります。

東証一部に株式上場しているような大企業の場合、国内だけで取引が完結することはありません。
海外の企業との取引、資本提携、海外子会社、合弁会社など国外の取引は切っても切れないものです。そうした会社の場合、会計基準は国際標準を満たしたものでなければ取引相手として相応しくないと判断されてしまいます。

会計や税務については国際基準を順守し、透明性のある会計を心がけることによって国際的な信用度が得られます。今後は上場していない地方の中小企業も積極的に海外に出ていくことが求められますから、IFRSは大企業にしか関係ないと敬遠せずに、積極的に国際基準に合わせていく姿勢が求められます。

6月 28

会社の経営を担うのが経営者、取締役の役割です。その業務・会計・税務を監査するのは一般的には”監査役”の役割です。
しかし、昨今の流れとして”社外取締役”を置く企業が増えています。社内業務に全くタッチしない外部から取締役を迎え入れることです。

[監査役]
少し監査役について詳しくご紹介しておきましょう。監査役とは、会社の取締役及び会計参与の業務を監査する『機関』のこと。機関とは、機能を果たす人間やグループということです。会社の事業や税務、経理などを”第三者”的立場から監査、違法な行為や著しく不当な職務執行行為があれば、それを阻止・是正するのが主な役割です。

[社外取締役]
社外取締役とは、『現在も過去においても、その会社または子会社の経営者や管理職、あるいは従業員ではない人(その会社の業務を執行しない人)、つまり、当該会社の利害に関与しない中立の立場にある取締役』のことです。業務を執行しない独立性の高い「社外取締役」は中立的かつ独立的な監視機能を持ち、執行と監督を明確に分離させるのを目的として設置されます。

このように見てくると監査役と社外取締役は同じ正確を持つ期間なのが解ると思います。しかし、監査役が法令順守という部分にかんする監査を主たる機能とするのに対して、社外取締役は会社の事業に対する監督業務を主たる機能とする点で違いがあります。

しかし、社外取締役制度が出来上がった背景には「監査役制度」の機能不全が一因であったとも云われています。税務や会計、税務調査の対策などの事業の裏方的業務の監督・監査については社外取締役の管轄外ともいえ、税務監査・会計監査の実効性を高めるためにも監査役制度の再興が必要なのかもしれません。

5月 24

税務監査と会計監査の違いを見る前に、『監査(かんさ)』がいったい何をすることなのか確認しておきましょう。
あまり日常使う言葉ではありませんが、似たような言葉に『監督(かんとく)』という言葉もあります。その違いとは?

『監査』とは、法令や各種規制、社内規程及びその他の通達などあらかじめ定められた規則や規範に照らし、実際の業務やその成果がそれらに即しているかどうかを、客観的な第三者が検証し、是正すべき点があればそれを指摘する業務のことを意味します。

対して『監督』は、多くの事柄や人々・組織などを見張ったり、指図をすることで取り締ることを意味します。つまり、監査が間違いを指摘するに留まりますが、監督の場合には間違いやミスがあった場合には積極的に指摘し、是正するところまでを含むと区別されます。

[税務監査と会計監査の違い]
税務監査は、法人や企業などが自発的に公認会計士や税理士に依頼して、税務調査さながらのチェック(監査)をしてもらうことによって、自社の税務処理が正しく行われているかどうかを確認することです。

対して会計監査は、会社の財務状態が計算書類の記載内容に適正に表示されているかどうかを確認する監査のことで、公認会計士か監査法人によって行われる監査と、社内の監査役によって会社内部で行われる監査とに分けられます。

基本的には監査法人による外部の監査と会社内部の監査は同じような調査を行いますが、外部の会計監査が社外のステークホルダー(利害関係者)に対してその企業(法人)の財務状況を性格に伝えることにポイントが置かれ、社内の監査は不正な会計処理が行われていないかどうかの調査にポイントが置かれます。

4月 21

中小零細企業の経営者の皆さんや個人事業主の皆さんは、出来る事なら税金は払いたくないというのが正直な気持ちかもしれません。
こうした気持ちは何もおかしなことではありません。事業で利益が出たとして、その利益を次の事業資金に充てたい、従業員の給料にまわしたいという思いは誰でも持つのではないでしょうか。

こんなふうに思ったからといって、すぐに『脱税』を考えるのはダメですよ。
きちんとした税務処理を行って、節税対策すればいいんです。

節税対策とは、会社の税務処理を法律に則って”適正”に実施して、支払う税金を適正額にすることです。もちろん、法律に則って行うことが前提です。また法律に触れない範囲での税務処理とはいえ、脱法行為すれすれの税務処理を行って節税対策をして税務調査によって脱税行為と認定されてしまっては元も子もありません。

こうした税務調査対策として税務監査があります。
適正な税務処理が行われているか、税務調査に対してきちんとした対策ができるかどうか、といった税務上の監査を行うことが税務監査と呼ばれるものになります。

法律に明らかに触れる場合は論外ですが、脱法行為すれすれの税務処理も税務調査では問題になります。こうした節税対策として行った行為が、税務調査によって脱法行為と認定されてしまうと本来払う税金以上に加算税を払わなければならないケースも出てきてしまいます。こうした事態にならないように税務監査によって、税務調査で問題にならないような適正な税務処理を行っておく必要があるのです。

3月 23

[税務会計]
税法、特に法人税法の規定に従って、租税負担の配分基準となる課税標準の算定を目的とした会計のこと。税務会計は利害調整のために機能しており、課税の公平さを規すための役割を現実的に担っています。しかし、税務会計は『納税』を中心に設計された会計基準なので役人にわかりやすく作られており、納税者には少しわかりにくくなっています。

[企業会計]
企業会計は、企業の利害関係者(株主や債権者)に対して企業の財政状態及び経営成績を正確に表現することを目的とした会計のこと。少し難しく言いましたが、要は正しい財務諸表の作り方を追求しているのが企業会計です。

このように税務会計と企業会計では、目的が違っているため企業の利益と課税所得が一致しません。最近ではこの差を解消するために『税効果会計』を採用する会社も増えてきています。

[税効果会計]
税効果会計とは、会計上の『収益-費用』と税務上の『益金-損金』による差異を調整する会計です。

1.会計上の法人税等を発生主義で認識する
2.会計上の損益認識時点と、課税計算上の損益認識時点との間に相違がある場合に、その期間帰属のズレを調整する
3.繰延税金資産・負債の認識を行う

「税効果会計とは、企業会計上の利益又は費用と課税所得計算上の益金又は損金の認識時点の相違等により、企業会計上の資産又は負債の額と課税所得計算上の資産又は負債の額に相違がある場合において、法人税その他利益に関連する金額を課税標準とする税金の額を適切に期間配分するすることを目的とする手続きである。」(企業会計審議会の意見書より)

2月 22

原点に返って、今回は「税務」と「会計」の違いについていくつかご紹介しましょう。
あまり意識しないかもしれませんが、会計と税務では稼ぎ出した「儲け」の考え方に違いがあります。

まずは「会計」の考え方ですが、企業会計上の計算は、株主に対して経営成績や財政状態を報告し、剰余金(儲けの蓄積)の分配額を算定することを主たる目的としています。会計上の利益は、企業会計原則などの会計処理の基準に従って以下の式により算定されます。

[計算式]会計上の利益=収益-費用(および損失)

次に「税務」の考え方ですが、税務における利益の算定は、税務上の利益を正しく計算することにより適正に課税することを目的としています。税金は、一定期間の事業活動の結果である利益に対して課されますが、この利益を「所得金額」と言い、この所得金額を課税標準(税金計算の基礎、対象となるもの)として税率を乗じて各事業年度の税金額を計算します。そして税務上の利益は以下の式により算定されます。

[計算式]税務上の儲け(所得金額)=益金-損金

上記2つの式はともに、稼ぎ全体からコストを控除して計算していますが、収益と益金、費用と損金は共通する点もあるものの、異なっている点もあります。税法の課税標準である各事業年度の所得金額は、会計によって計算された利益を基にして税務特有の調整(会計と税務の差)を加えて計算する仕組みとなります。その調整は4種類ありますが、それは次回に……。

1月 22

今回は税務監査、会計監査の関連知識として公認会計士と税理士の違いと共通点に絞ってご紹介していきましょう。

[公認会計士と税理士の違いとは?]
公認会計士は登録手続きをすれば税理士としての資格を得られますが、税理士は公認会計士試験に合格しないと資格が得られません。このことから、公認会計士のほうが偉いとか公認会計士に税務のことはわからないと誤解されるかもしれません。しかし、両者の業務は大きくちがっているので以下にまとめておきましょう。

◆公認会計士
会計監査などに関する国家試験に合格し、公認会計士協会に登録された有資格者のことで主として企業の監査業務を行います。

監査業務……一般投資家や債権者に代わり企業の会計監査業務(公認会計士の独占業務)
会計業務……会計監査業務を行う前提として決算書の作成や会計・財務の調査、立案、指導
税務業務……税理士の独占業務であるが、税理士登録することにより業務を行うことができる
マネージメント・コンサルティング・サービス……経営戦略などの相談業務、組織再編の指導・助言、知的財産の評価など
情報システム業務……情報システムの開発・保守および導入の支援、システム監査

◆税理士
簿記会計および税務などに関する国家試験に合格し、税理士会に登録された有資格者のことで主として、税務申告の代理業務を行います。

税務代理業務……確定申告・青色申告の承認申請、税務調査の立会い、不服申立などを代行
税務書類の作成代行……確定申告書や相続税申告書など、税務署へ提出する書類の作成代行
税務相談……税金や税務全般に関する相談
会計業務……財務書類の作成、会計帳簿の記帳代行など、税務に関する事務
補佐人制度……税務訴訟において、納税者の権利を救済するために補佐人として出廷する
地方公共団体の外部監査……都道府県や市町村における税金の使途をチェックする外部監査

12月 21

会社の偉いさんといえば、社長、常務、専務、取締役、代表取締役、顧問、監査役……など、たくさんいます。その中で会社の業務とは少しはずれた役割を持つのが「監査役」です。取締役の仕事内容を監査する監査役についてみていきましょう。

経営に直接的に関われない株主のために、取締役の業務内容について監査する役員が監査役です。取締役と同じように、監査役も株主総会で選任されます。取締役が行う経営をチェックすることが監査役の重要な仕事です。

監査には、会計監査と業務監査があります。

「会計監査」は、決算書で会社の業績や財産の状況を正しく表記しているかどうかをチェックする監査です。もうひとつの「業務監査」は、取締役が行う経営活動について、法令違反をがないかどうかをチェックする監査です。多くの上場企業の場合、会計監査人という会計のプロが会計監査を行います。従って、監査役の主な仕事は、会計監査よりも業務監査のほうに比重が置かれます。

監査役は、取締役が違法行為を行った場合は監査報告書にそのことを明記し、株主に報告する義務があります。しかし、監査役は株主総会で選任されますが、取締役会の指名に基づいて選ばれるのが通例ですので、取締役会に対してネガティブな意見や姿勢を持つ人間が監査役に抜擢されることは、まず考えられないでしょう。通例は、退任した取締役が選任されるケースが多く、有名無実化しているのが現状です。

しかし、実際に業務に携わっていない者の監査や、業務内容を把握しない外部による監査には、限界があるとも言われており、監査の有効な実施方法が模索されています。

11月 24

会計監査について簡単にまとめてみましょう。大雑把にまとめると、会計監査とは企業の財務諸表に第三者がお墨付きを与えること。財務諸表は投資家、株主、銀行などの利害関係者にとっては必要不可欠な情報源ですから、嘘があってはいけません。企業外部の第三者が財務諸表をチェックして嘘や誤りがないかを評価・確認する作業を会計監査といいます。

広義での「監査」と言うと、内部監査、業務監査など、会計以外全般にも関係してきますが、今回は公認会計士が行う法定監査を前提としてお話していきましょう。少々大雑把に申し上げますと、1.上場企業か、2.資本金が5億以上または負債が200億以上の企業、このいずれかの条件を満たすと会計監査が必要となります。(※ 上場企業が受けるのは「証取法監査」で、資本金や負債の条件を満たす企業が受けるのは「商法監査」と言います。)

具体的な「監査」の中身ですが・・・「粉飾決算」「連結外し」「有価証券報告書偽造」などといった言葉を聞いたことはありませんか。

【一般投資家】
株式投資をしたいんだけど、業績を判断するための財務諸表は信用できるんだろうか。
【債権者】
融資をしたいけれども、返済能力のある企業なのかどうか。
【株主】
株式配当が少ないけど、本当にこれしか儲かってなかったのかな。

こうした疑問は、会社の作成した「財務諸表」が100%信用出来ないということが原因です。こうした不安を解消するために、会計に詳しい第三者が税務処理など会計をチェックをすれば安心だ、という事で生まれたのが「監査」です。会計、税務処理を外部の専門化が監査することによってお墨付きを与えるという行為が「監査」と呼ばれる行為です。

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