5月 24

税務監査と会計監査の違いを見る前に、『監査(かんさ)』がいったい何をすることなのか確認しておきましょう。
あまり日常使う言葉ではありませんが、似たような言葉に『監督(かんとく)』という言葉もあります。その違いとは?

『監査』とは、法令や各種規制、社内規程及びその他の通達などあらかじめ定められた規則や規範に照らし、実際の業務やその成果がそれらに即しているかどうかを、客観的な第三者が検証し、是正すべき点があればそれを指摘する業務のことを意味します。

対して『監督』は、多くの事柄や人々・組織などを見張ったり、指図をすることで取り締ることを意味します。つまり、監査が間違いを指摘するに留まりますが、監督の場合には間違いやミスがあった場合には積極的に指摘し、是正するところまでを含むと区別されます。

[税務監査と会計監査の違い]
税務監査は、法人や企業などが自発的に公認会計士や税理士に依頼して、税務調査さながらのチェック(監査)をしてもらうことによって、自社の税務処理が正しく行われているかどうかを確認することです。

対して会計監査は、会社の財務状態が計算書類の記載内容に適正に表示されているかどうかを確認する監査のことで、公認会計士か監査法人によって行われる監査と、社内の監査役によって会社内部で行われる監査とに分けられます。

基本的には監査法人による外部の監査と会社内部の監査は同じような調査を行いますが、外部の会計監査が社外のステークホルダー(利害関係者)に対してその企業(法人)の財務状況を性格に伝えることにポイントが置かれ、社内の監査は不正な会計処理が行われていないかどうかの調査にポイントが置かれます。

3月 23

[税務会計]
税法、特に法人税法の規定に従って、租税負担の配分基準となる課税標準の算定を目的とした会計のこと。税務会計は利害調整のために機能しており、課税の公平さを規すための役割を現実的に担っています。しかし、税務会計は『納税』を中心に設計された会計基準なので役人にわかりやすく作られており、納税者には少しわかりにくくなっています。

[企業会計]
企業会計は、企業の利害関係者(株主や債権者)に対して企業の財政状態及び経営成績を正確に表現することを目的とした会計のこと。少し難しく言いましたが、要は正しい財務諸表の作り方を追求しているのが企業会計です。

このように税務会計と企業会計では、目的が違っているため企業の利益と課税所得が一致しません。最近ではこの差を解消するために『税効果会計』を採用する会社も増えてきています。

[税効果会計]
税効果会計とは、会計上の『収益-費用』と税務上の『益金-損金』による差異を調整する会計です。

1.会計上の法人税等を発生主義で認識する
2.会計上の損益認識時点と、課税計算上の損益認識時点との間に相違がある場合に、その期間帰属のズレを調整する
3.繰延税金資産・負債の認識を行う

「税効果会計とは、企業会計上の利益又は費用と課税所得計算上の益金又は損金の認識時点の相違等により、企業会計上の資産又は負債の額と課税所得計算上の資産又は負債の額に相違がある場合において、法人税その他利益に関連する金額を課税標準とする税金の額を適切に期間配分するすることを目的とする手続きである。」(企業会計審議会の意見書より)

2月 22

原点に返って、今回は「税務」と「会計」の違いについていくつかご紹介しましょう。
あまり意識しないかもしれませんが、会計と税務では稼ぎ出した「儲け」の考え方に違いがあります。

まずは「会計」の考え方ですが、企業会計上の計算は、株主に対して経営成績や財政状態を報告し、剰余金(儲けの蓄積)の分配額を算定することを主たる目的としています。会計上の利益は、企業会計原則などの会計処理の基準に従って以下の式により算定されます。

[計算式]会計上の利益=収益-費用(および損失)

次に「税務」の考え方ですが、税務における利益の算定は、税務上の利益を正しく計算することにより適正に課税することを目的としています。税金は、一定期間の事業活動の結果である利益に対して課されますが、この利益を「所得金額」と言い、この所得金額を課税標準(税金計算の基礎、対象となるもの)として税率を乗じて各事業年度の税金額を計算します。そして税務上の利益は以下の式により算定されます。

[計算式]税務上の儲け(所得金額)=益金-損金

上記2つの式はともに、稼ぎ全体からコストを控除して計算していますが、収益と益金、費用と損金は共通する点もあるものの、異なっている点もあります。税法の課税標準である各事業年度の所得金額は、会計によって計算された利益を基にして税務特有の調整(会計と税務の差)を加えて計算する仕組みとなります。その調整は4種類ありますが、それは次回に……。

4月 22

前回、税務と会計の違いとして、税務における「儲け(利益)」と会計における「儲け(利益)」には違いがあるということをご紹介しました。

このことを具体的な例でご紹介すると、交際費や従業員の福利厚生にお金を費やすことにより儲けを少なくし、税金を低くしようと考えると、会計上は費やしたお金は全て「費用」として認識されますが、税務上は課税の公平の観点等から「損金」とは認められない場合があります。
この取扱いの違いが税務と会計の差のひとつです。

税務上の「損金」として取り扱えるかどうか(経費で落ちるか否か)によって税金額が変わるので、税務上の取扱いを知ることは重要になります。

課税標準である所得金額は、会計で計算された利益をベースに税務特有の調整(会計と税務の差)を加えて計算する仕組みになります。この税務の調整は4種類あります。

(1.)益金算入項目
会計上は収益には該当しないが、税務上は益金とされ、課税対象とされる項目
(ex.圧縮積立金取崩額)

(2.)益金不算入項目
会計上は収益に該当するが、税務上は益金としない項目
(ex.還付法人税、受取配当金の一部など)

(3.)損金算入項目
会計上は費用に該当しないが、税務上は損金とされる項目
(ex.圧縮積立金積立額)

(4.)損金不算入項目
会計上は費用に該当するが、税務上は損金とされない項目
(ex.交際費、寄付金の限度超過額、法人税等、資産の評価損)

領収書が全て「損金」となるわけではありません。儲けや経費といったものを会計の観点と税務の観点をもって会社経営を行っていくことが重要となります。

3月 24

これまで税務と会計について「監査」という観点から調べてきましたが、今回は「税務」と「会計」の違いについてフォーカスしていきましょう。
財務・経理等に関心のある人でなければあまり意識することはあまりないかもしれませんが、会計と税務は、稼ぎ出した「儲け」の考え方に共通点があるものの、目的の差による違いがあります。この違いを理解することは、非常に重要です。

まずは「会計」の考え方ですが、企業会計上の計算は、株主に対して経営成績や財政状態を報告し、剰余金(儲けの蓄積)の分配額を算定することを主たる目的としています。会計上の利益(儲け)は、企業会計原則などの会計処理の基準に従って以下の式により算定されます。

『会計上の利益(儲け)=収益-費用(および損失)』

次に「税務」の考え方ですが、税務における利益(儲け)の算定は、税務上の利益(儲け)を正しく計算することにより適正に課税することを目的としています。税金は、一定期間の事業活動の結果である利益(儲け)に対して課されます。この利益(儲け)を「所得金額」と言い、この所得金額を課税標準(税金計算の基礎、対象となるもの)として税率を乗じて各事業年度の税金額を計算します。そして税務上の利益(儲け)は以下の式により算定されます。

『税務上の儲け(所得金額)=益金-損金』

上記2つの式はともに、稼ぎ全体からコストを控除して計算しています。しかし、収益と益金、費用と損金は共通する点もあるものの、異なっている点もあります。税法の課税標準である各事業年度の所得金額は、会計によって計算された利益を基にして税務特有の調整(会計と税務の差)を加えて計算する仕組みとなります。その調整は4種類ありますが、それは次回に詳しくご紹介しましょう。