3月 24

これまで税務と会計について「監査」という観点から調べてきましたが、今回は「税務」と「会計」の違いについてフォーカスしていきましょう。
財務・経理等に関心のある人でなければあまり意識することはあまりないかもしれませんが、会計と税務は、稼ぎ出した「儲け」の考え方に共通点があるものの、目的の差による違いがあります。この違いを理解することは、非常に重要です。

まずは「会計」の考え方ですが、企業会計上の計算は、株主に対して経営成績や財政状態を報告し、剰余金(儲けの蓄積)の分配額を算定することを主たる目的としています。会計上の利益(儲け)は、企業会計原則などの会計処理の基準に従って以下の式により算定されます。

『会計上の利益(儲け)=収益-費用(および損失)』

次に「税務」の考え方ですが、税務における利益(儲け)の算定は、税務上の利益(儲け)を正しく計算することにより適正に課税することを目的としています。税金は、一定期間の事業活動の結果である利益(儲け)に対して課されます。この利益(儲け)を「所得金額」と言い、この所得金額を課税標準(税金計算の基礎、対象となるもの)として税率を乗じて各事業年度の税金額を計算します。そして税務上の利益(儲け)は以下の式により算定されます。

『税務上の儲け(所得金額)=益金-損金』

上記2つの式はともに、稼ぎ全体からコストを控除して計算しています。しかし、収益と益金、費用と損金は共通する点もあるものの、異なっている点もあります。税法の課税標準である各事業年度の所得金額は、会計によって計算された利益を基にして税務特有の調整(会計と税務の差)を加えて計算する仕組みとなります。その調整は4種類ありますが、それは次回に詳しくご紹介しましょう。