10月 22

税務監査は企業の税務処理が、きちんと行われているかどうか、不正が無いかどうかを第三者(顧問税理士や公認会計士)に監査してもらうことです。税務調査とは違って、税務上の不備や不正があった場合には自主的に改善を行っていくための自浄行為です。

不適切な税務処理が見つかった場合には、速やかに改善するという姿勢が求められます。このように税務監査は企業が自発的に行うことによって、社会的責任を果たしていくための条件といってもいいでしょう。もちろん費用対効果という観点から考えれば、税務監査そのものは利益を上げる行為ではなく、費用がかかるだけの無駄な行為と感じられるかもしれません。しかし、こうした自発的な監査は、必要経費だと考えて定期的に実施することを経営者自身が率先して示すことで、企業内の従業員全員に法令順守の思想を広める効果も期待できます。

どのようにオープンな企業であっても、組織運営上、程度の差こそあれ企業内だけに通じるローカルルールが必要となってきます。スムーズな組織運営という観点から、自然発生的に生じるのがローカルルールなのかもしれません。しかし、税務処理や会計処理については同様なローカルルールを適用して、社会的通念と乖離したままでいるのはリスクの観点からもおすすめできません。自発的な税務監査、会計監査を実施することで、適正な税務処理と会計処理を担保することが、結果的にはスムーズな組織運営、引いては事業展開をバックアップするものだという考え方を経営者が示す必要があるのではないでしょうか。

9月 25

監査という行為は以下のように定義されています。
「監査とは、経済的行為及び事象に関する主張と設定された基準との間の一致の程度を確かめるため、それらの主張についての証拠を客観的に入手し、評定し、かつ利害関係者にその結果を伝達する組織的な過程である。」

とっても固い文章ですが、キーワードは「証拠」、「客観的」、「利害関係者」、「結果を伝達」となります。つまり、監査とは、客観的な証拠を基に評価し、その結果を報告するまでのプロセスのことをいうわけです。

「会計監査」は、その対象を「会計記録」や「会計行為」について、独立性のある監査人が分析的に検討、その適否についての意見を表明する行為です。その会計監査は、探偵式監査ともいわれる「精密監査」(会計の記録や処理を対象とした監査)、信用監査ともいわれる「貸借対照表監査」(企業の返済能力に関する資料を提供するための貸借対照表を対象とした監査)、財務監査ともいわれる「財務諸表監査」(財務諸表が企業会計の諸基準に準拠した適正なものかを判断する監査)に分類されます。

「法定監査」は、商法や証券取引法等の法律によって、企業に義務づけられている監査を指します。株式会社は、商法上「監査役監査」が義務づけられており、資本金1億円以下の株式会社では、監査役は会計監査のみを行いますが、資本金1億円を超える株式会社では、監査役は会計監査と業務監査を行います。資本金5億円以上か負債総額200億円以上の株式会社では、公認会計士等による財務諸表監査が義務づけられています。

「任意監査」は、企業自身がその内部監査を行って、会計及び会計以外の業務の健全性を維持するために、監査役や監査課を設置して行う監査をいいます。

8月 25

今回は「監査法人」について。
監査法人とは、公認会計士が共同して設立した法人のことで、他人の求めに応じて報酬の対価として、財務書類の監査、または証明を行うことを目的とした組織です。

監査法人の設立要件は、5名以上の「社員」(公認会計士であること)が必要だと公認会計士法に定められており、4名以下になった場合には解散しなければならないとなっています。

監査法人には、法人に出資して社員として監査法人の重要事項の決定に参加する資格を持つ公認会計士の他に、従業員として法人と雇用契約を結ぶ公認会計士、公認会計士でない社員及び従業員が在籍しますが、公認会計士でない社員の割合は1/4未満でなければならないと定められています。

監査法人の主な業務は、①監査又は証明業務、②コンサルティング業務、③公認会計士試験に合格した者に対する実務補習の三つです。

社会的な流れの中で監査の厳格化が求められるようになってきており、監査法人の役割が注目されてきています。というのは、粉飾決算の疑惑がある企業や、企業舎弟の標的にされている疑惑のある企業の法定監査を受託し、監査意見を表明することが比較的多くなってきているからです。

昨今でも、企業の粉飾決算から一般の株主が不利益を被るという事件が後を絶ちません。特に上場企業の財務状況についてはクリアにされていなければならないのは国際的な流れです。株式市場の魅力を高めるためにも、正しい情報が発信されることが前提条件です。そのためにも監査法人の役割が注目されているのが現状です。

7月 23

税務監査と会計監査についてご紹介してきていますが、今回は税務監査と会計監査のおさらいとして税務監査と会計監査の違いをクローズアップしてみましょう。

まず、税務監査は、税務署が行う「税務調査」とは違って、法人や企業などが自発的に公認会計士や税理士に依頼して、税務調査さながらのチェック(監査)をしてもらうことによって、自社の税務処理が正しく行われているかどうかを調べてもらうことです。

一方、会計監査は、会社の財務状態が計算書類の記載内容に適正に表示されているかどうかを確かめる監査のことで、公認会計士か監査法人によって行われる監査と、社内の監査役によって会社内部で行われる監査とがあります。

会社内部で行われる会計監査は、社内の各部署において会計処理の不正が行われずに正しく処理されているかを調べるものなのに対して、公認会計士や監査法人などが行う会計監査は、株主となる第三者が、その会社の株や社債を購入する際に参考にする資料に客観的信用度を増すために「この会社の会計はこのようなものですよ」と外部の人間による参考資料となるものです。

基本的には会社内部の監査と、監査法人による外部の監査は似たような調査を行います。
しかし、会社内部の監査は、不正な会計処理を内部の人間がやっていないかどうかの調査に重きを置くのに対して、外部の会計監査は、社外のステークホルダー(利害関係者)に対して、法人の財務状況を正確に伝えることに重きが置かれます。

6月 23

「監査役」とは、会社の取締役及び会計参与の業務を監査する機関のことです。
ここで「機関」と表現されるのは、機能を果たす人間やグループということです。

つまり、会社の事業や税務、経理などを第三者的立場から監査し、違法な行為や著しく不当な職務執行行為があれば、それを阻止・是正するのが役割です。

それと同じような役割を果たすものに「社外取締役」という制度があります。
社外取締役とは、『現在も過去においても、その会社または子会社の経営者や管理職、あるいは従業員ではない人(その会社の業務を執行しない人)、つまり、当該会社の利害に関与しない中立の立場にある取締役のこと』をいいます。

業務を執行しない独立性の高い「社外取締役」は中立的かつ独立的な監視機能を持ち、執行と監督を明確に分離させるのを目的として設置されます。

つまり、監査役と社外取締役は同じ性格を持つ機関なのですが、監査役が法令順守という部分にかんする監査を主たる機能とするのに対して、社外取締役は会社の事業に対する監督業務を主たる機能とする点で異なると考えられます。

しかし、社外取締役制度は元々あった「監査役制度」の機能不全を端に発して出来上がった制度ともいわれています。

税務や会計などの事業の裏方的業務の監督・監査については社外取締役の管轄外ともいえ、税務監査・会計監査の実効性を高めるためにも監査役制度の再興が必要なのかもしれません。

現代の会社組織、企業には高いコンプライアンス(法令順守)が求められており、経営者や業務執行役員とは独立した監査機関を充実させること必要なのではないでしょうか。

5月 25

個人事業者や中小企業の経営者の皆さんなら、なるべく税金を払いたくないというのは共通の認識でしょう。
これは何も不思議なことではありません。事業をやって儲け(利益)が出る、その利益を次の事業資金に回したい、従業員に分配したいという思いは誰でも一緒だと思います。もっと個人的な思いとして、「いい生活をしたい」「贅沢したい」というのもあるでしょう。

節税対策とは、会社の税務処理を法律に触れない範囲で「適正」に行って、支払う税金額をなるべく少なくすることだと思います。
もちろん、法律に触れてはいけません。また法律に触れない範囲での税務処理とはいえ、法の目をくぐるような税務処理を行って節税対策をした場合、税務調査によって脱税行為と認定されてしまっては元も子もありません。

こうした税務調査対策として税務監査があります。
適正な税務処理が行われているか、税務調査に対してきちんとした対抗策がうてるかどうか、といった税務上の監査を行うことが税務監査と呼ばれるものになります。

法律に明らかに触れる場合はもってのほかですが、脱法行為と呼ばれる法律の網の目をくぐるような行為も税務調査では問題になります。
こうした節税対策として行った行為が、税務調査によって脱法行為と認定されてしまうと本来払う税金以上に加算税を払わなければならないケースも出てきてしまいます。

こうした事態にならないように税務監査によって、税務調査を想定した適正な税務処理を行っておく必要があるのです。

4月 22

前回、税務と会計の違いとして、税務における「儲け(利益)」と会計における「儲け(利益)」には違いがあるということをご紹介しました。

このことを具体的な例でご紹介すると、交際費や従業員の福利厚生にお金を費やすことにより儲けを少なくし、税金を低くしようと考えると、会計上は費やしたお金は全て「費用」として認識されますが、税務上は課税の公平の観点等から「損金」とは認められない場合があります。
この取扱いの違いが税務と会計の差のひとつです。

税務上の「損金」として取り扱えるかどうか(経費で落ちるか否か)によって税金額が変わるので、税務上の取扱いを知ることは重要になります。

課税標準である所得金額は、会計で計算された利益をベースに税務特有の調整(会計と税務の差)を加えて計算する仕組みになります。この税務の調整は4種類あります。

(1.)益金算入項目
会計上は収益には該当しないが、税務上は益金とされ、課税対象とされる項目
(ex.圧縮積立金取崩額)

(2.)益金不算入項目
会計上は収益に該当するが、税務上は益金としない項目
(ex.還付法人税、受取配当金の一部など)

(3.)損金算入項目
会計上は費用に該当しないが、税務上は損金とされる項目
(ex.圧縮積立金積立額)

(4.)損金不算入項目
会計上は費用に該当するが、税務上は損金とされない項目
(ex.交際費、寄付金の限度超過額、法人税等、資産の評価損)

領収書が全て「損金」となるわけではありません。儲けや経費といったものを会計の観点と税務の観点をもって会社経営を行っていくことが重要となります。

3月 24

これまで税務と会計について「監査」という観点から調べてきましたが、今回は「税務」と「会計」の違いについてフォーカスしていきましょう。
財務・経理等に関心のある人でなければあまり意識することはあまりないかもしれませんが、会計と税務は、稼ぎ出した「儲け」の考え方に共通点があるものの、目的の差による違いがあります。この違いを理解することは、非常に重要です。

まずは「会計」の考え方ですが、企業会計上の計算は、株主に対して経営成績や財政状態を報告し、剰余金(儲けの蓄積)の分配額を算定することを主たる目的としています。会計上の利益(儲け)は、企業会計原則などの会計処理の基準に従って以下の式により算定されます。

『会計上の利益(儲け)=収益-費用(および損失)』

次に「税務」の考え方ですが、税務における利益(儲け)の算定は、税務上の利益(儲け)を正しく計算することにより適正に課税することを目的としています。税金は、一定期間の事業活動の結果である利益(儲け)に対して課されます。この利益(儲け)を「所得金額」と言い、この所得金額を課税標準(税金計算の基礎、対象となるもの)として税率を乗じて各事業年度の税金額を計算します。そして税務上の利益(儲け)は以下の式により算定されます。

『税務上の儲け(所得金額)=益金-損金』

上記2つの式はともに、稼ぎ全体からコストを控除して計算しています。しかし、収益と益金、費用と損金は共通する点もあるものの、異なっている点もあります。税法の課税標準である各事業年度の所得金額は、会計によって計算された利益を基にして税務特有の調整(会計と税務の差)を加えて計算する仕組みとなります。その調整は4種類ありますが、それは次回に詳しくご紹介しましょう。

2月 17

「公認会計士」とは、会計の専門家で国家資格です。業務内容は監査、財務、経理、税務など多岐にわたり、最近では会計に関する助言、立案および経営戦略の提案などのコンサルティング業務も重要な業務となってきています。企業の財務諸表に関する適正性を証明する「監査業務」は公認会計士のみに付与された独占的業務です。

会計監査人というのは、公開会社、非公開会社とどちらにもかかわらず、大会社(資本金の額が5億円以上又は負債の額200億円以上である会社)での設置が義務付けられているので、それ以外の会社については、任意で設置できるそうです。この会計監査人になれるのは、公認会計士または監査法人であることです。また、会社や子会社の取締役・執行役・監査役・会計監査人などの役員との兼任はできません。監査法人が会計監査人に選任された場合は、監査法人は社員の中から会計監査人を選定し、会社に通知します。

会計監査人の業務内容は以下の通りです。会社計算書類およびその付属明細書等を監査して、株主総会で意見陳述すること。取締役や子会社に対して会計に関する報告を求めることができます、また取締役の不正等を監査役に報告することが業務となっております。会社に対する善管注意義務を負い、任務を怠った場合には株主代表訴訟の対象となり、会社に生じた損害を賠償する責任を負うことになります。このことから、会計監査人の役割は大変重要で重たい任務だといえます。

1月 20

税務監査と会計監査について調べていますが、そもそも「監査」とはどういう行為のことを言うのでしょうか。
ネットでイロイロと調べてみると、~「監査」とは、法令や各種規制、社内規程及びその他の通達などあらかじめ定められた遵守すべき規則や規範に照らし、実際の業務やその成果物がそれらに即しているかどうかを、客観的な第三者が監査対象に応じて適切な手法を用いて検証し、是正すべき点があればそれを指摘する業務のこと。「監督」とは異なり、監査には、その後の是正作業を指示・管理することは求められていない。~となっています。
つまり、第三者による法令や規則との照合作業ということが言えるかと思います。

ここでのキモは「第三者」ということで、最近の会社ぐるみや役所ぐるみでの不正などの調査で行われる自ら行う「内部調査」とは違うということです。組織内部の人間が行う内部調査では客観性に乏しく、対外的な信頼性を得ることが難しい。そこで、外部の専門家による「第三者」調査を行うことで、調査結果の信頼性を確保するという基本理念が、「監査」にはあるのです。

「税務監査」は、税務調査とは異なり、法人などが自発的に税理士などに依頼して税務調査さながらのチェックをしてもらうことによって、自社の税務管理が正しく行われているか調べてもらうことです。この税務監査によって、自社の税務処理が正しく行われていると判断されれば、その後の会計監査においても自社の税務処理の信頼性が増すことになります。

そして「会計監査」は、会社の財務状態が計算書類の記載内容に適正に表示されているかどうかを確かめる監査のことで、公認会計士か監査法人によって行われる監査と、監査役によって会社内部で行われる監査とがあります。

会社内部で行われる会計監査は社内において会計が不正が行われずに正しく処理されているかを調べるものなのに対して、公認会計士などが行う会計監査は、株などを購入する際に「この会社の会計はこのようなものですよ」と外部の人間による参考資料となるものです。

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